2023年度の工場見学は
終了致しました。
1945年創業の歴史ある「株式会社金田洋鋏（かねだようばさみ）製作所」は、理美容師やメイクアップアーティストなどが使うプロ用から家庭用まで、美粧用ハサミを主として製造するメーカー。
分業によるものづくりが多い関市の工場の中では珍しく、型抜きから最終製品までハサミ作りの全工程を一貫して自社で行っています。
全国でも希少なオールステンレスのハサミ作り
金田洋鋏さんの商品の特徴は“オールメタル”であること。
“オールメタル”というと聞き慣れないですが、例えば眉バサミや鼻毛バサミは、ハンドルと刃が一体となったメタルでできているのが一般的ですよね。またプロの理美容師さんが使うヘアカット用のハサミも、オールメタルがメジャーです。
金田洋鋏さんで作られるハサミはほとんどがOEM商品なので、「金田洋鋏」の名前は表示されていなくても、実はみなさんのご家庭にあるオールメタルのハサミも金田洋鋏さんで製造されたものということもあるかもしれません！
かつて、ハサミはオールメタル製が主流でした。
けれども安価で扱いやすいプラスチックが普及していくと、次第にオールメタルのハサミを作る企業は減少。一度その製品作りをストップし、技術を手放してしまうと、改めて機械を導入し製品作りを再開するのは至難の業です。
そのため現在では、オールメタルのハサミを作ることができる企業はわずかとなり、金田洋鋏さんは全国でも珍しいオールメタルのハサミを第一線で手がける企業となっていったのです。
職人さんの技術が結集して生み出される、高品質のハサミ
ハサミ作りの全工程に携わる金田洋鋏さんでは、その一つひとつの工程を順を追って見ることができます。
こちらの巨大な機械は、最近導入したという鍛造（たんぞう）のための機械。なんと400tもの力で鉄板をプレスし、２次元の生地を３次元に加工していきます。ちなみにプレスのための金型も自社で製造しているんです。
こちらは良い切れ味のハサミの要となる「刃付け」というハサミの刃を鋭利に仕上げるための切削加工の様子。職人さんは火花を飛ばしながら、高速で回転する砥石を使い、集中して作業しています。
「裏スキ」は刃付けと同様ハサミの質を左右する工程。ハサミを裏返してみると、一方の刃は少しザラリとしたくもりが入っていて、わずかにへこんでいます。それが「裏スキ」です。裏スキがないはさみは、しっかりと切ることができません。かつては手作業で加工されていましたが、現在は機械で行われています。
その他にも、ハサミの原型ができた生地に熱処理を行う「焼き入れ」や、ハサミの刃の噛み合わせをカナヅチで調整する「仕組（しぐみ）」など、金田洋鋏さんのハサミ作りは、その工程のほとんどが手作業によるもの。
職人さんが熟練の腕で加工をしたり、真剣な眼差しで品質を見極める姿は、見ていてほれぼれとしてしまいます…！
工場見学＆ワークショップの見どころは？
鉄板の型抜きから加工、組み立てまで、ハサミが徐々にできあがっていく過程を見られるのが工場見学の見所。それぞれの作業で光る職人さんの技を、どうぞお見逃しなく！
さらにワークショップでは、数ある工程の中でも肝となる「刃付け」と「仕組」に実際にチャレンジして、ハサミを完成させる体験をすることができます。
金田洋鋏さんで働く職人さんたちも、何年もかけて技を磨いてきた難しい作業。
そのため、もしかしたら参加者がつくるハサミは「切れないハサミ」となることも…？！職人さんにしっかり学びながら、自分だけのハサミを完成させて、ものづくりの難しさ、奥深さを味わってみてくださいね。
予約：要予約
定員：10名
所要時間：60分
※10：00、14：00に一斉スタートします。
ハサミを作ろう！
予約：要予約
定員：5名
参加費：無料
所要時間：120分
レース台を用いて刃付けをし、金づち等で最終調整をします。
※備考：
・10歳以上のお子さんと保護者のペア。
・作業しやすい格好での参加。
・開始時間後の受け入れ不可
予約は2023/10/18 09:00からです。
ただいま2024/04/19 22:07です。