「有限会社コバヤシヒーティング」は、刃物作りで大切な工程の一つである鋼の硬度を出すための熱処理を専門に行っている会社です。
関市を中心に100社以上の企業と取引し、毎日約一万本の包丁やハサミ、爪切りやナイフなどの製品を加工しています。
創業27年で培った独自のノウハウを活かし、コバヤシヒーティングさんではステンレス製品を小ロットから大量生産まで加工することが可能です。
丈夫で刃こぼれしづらい刃物を作るため、その土台となる熱処理という重要な工程を担うことで、地元関市の地場産業である刃物作りを支えています。
刃物作りにかかせない「熱処理」とは
わたしたちの生活の中で使われている包丁やハサミなどの製品は、ものを切るための硬さや丈夫さが必要とされます。
コバヤシヒーティングさんでは、約1000℃の電気釜で鋼を高温の状態にしてから急激に冷やす「焼入れ」をすることで、刃物の硬さを生み出しているのです。
鋼に“魂を吹き込む”といわれる焼入れは、処理を施す鋼の素材やその製品に求められる硬さによって、綿密に温度調整がされています。
真夏の暑い日や雪の降る寒い日など環境によって変わる温度を調整するため、過酷な状況の中で職人さんが懸命に作業を行っています。
焼入れによって硬くなった刃物は、次に「焼戻し」という処理が施されます。
刃物に刃こぼれや欠けが起こらないように、再加熱して一度与えた硬さを調整しながら、粘りや強靭性を高めるのが焼戻し作業です。
関市の中~高級刃物の多くの「焼入れ」と「焼戻し」という熱処理はコバヤシヒーティングさんで行っているのだとか。
硬くて丈夫な製品作りに欠かせない大切な工程です。
製品に求められる高い品質を繊細な熱処理によって実現し、信頼される企業として多くの製品を作り出しているのですね!
丈夫で切れ味鋭い刃物を作るために
コバヤシヒーティングさんでは、熱処理によって生まれる鋼のゆがみをとるための作業「ひずみとり」が職人さんの手によって行われています。
熟練の職人さんが一つひとつ丁寧にひずみとりを行うことで、ブレのない均一な製品が作られています。
わずかなゆがみや反りを見極めて調整する作業は、職人さんの経験が頼りです。
職人さんの日々の作業の積み重ねが、世界で評価される関の刃物作りを支える底力となっています。
より品質の高い刃物を作る上で欠かせない熱処理ですが、わたしたち素人が目で見ても処理前と処理後の変化はほとんど分かりません。
コバヤシヒーティングさんでは、量産される製品の品質を保つために必ず抜き取り検査が行われ、信頼される会社として、硬さを計測し、企業にエビデンスを提示しています。
目に見えない部分だからこそ、きちんと数値化することも大切なのですね。
工場見学&ワークショップの見どころは?
熱処理によって鋼はどのように変化するのでしょう?
目には見えない硬さの違いを知るため、ワークショップでは鋼の曲げ比べを体験いただけます!
実際に熱処理前の鋼と処理後の製品を曲げてみることで、コバヤシヒーティングさんが行う熱処理が、刃物作りにかかせない大切な仕事であることがみなさんにもきっと伝わるはずです!
硬さ比べ!~焼入れで変わる鋼の硬さを比べてみよう~
予約:要予約
定員:10名
参加費:無料
所要時間:60分
ハサミや包丁の材料(鋼)を使って、「焼入れ前」と「焼入れ後」でどれぐらい硬さが変わるのかを曲げ比べてみよう!
バスツアー
11月15日(金) 午後の部
工場見学・ワークショップ日程、WEB予約