関市の名産のひとつでもある刀剣の工房「二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場」。
室町時代からの長い歴史を持ち、これまで多くの刀匠を輩出してきました。
日本刀制作で肝になる「鍛錬」の現場
工房では鍛錬を行い、刀剣の形に形成するまでの作業を行っています。
「鍛錬」は玉鋼から不純物を取り除き、粘りのある鐵(くろがね)を作るために行われる工程です。
島根県から買い付けた玉鋼を1300°まで熱して何度も叩いて鍛錬しながら、徐々に刀剣の形に近づけていきます。柔らかく粘りのある鉄と硬く頑丈な鉄を組み合わせることで、日本刀独自の「折れず、曲がらず、よく切れる」ができあがっていきます。
刀剣制作にはなくてはならない原材料である玉鋼ですが、その製造技術であるたたら製鉄は大正時代に一度完全に廃れてしまいました。しかし日本鉄鋼協会の尽力により島根県でたたら製鉄が復元されました。
700年以上にわたり受け継いできた技術を絶やさないように多くの人が尽力した結果、現在の刀剣があるんですね…!
日本刀の技術を後世へ
取材の日はお弟子さんの修行風景を見せていただくことができました!
作業中は鍛錬の火花と玉鋼を叩く機械の音が工房に響き渡ります。
作業場は飛び散る火花や炉の熱気が、側で見ているだけでも肌にひしひしと伝わってきました!火花の迫力もさることながら、質の良い刀を作るため目の前の刀に注力する刀匠の姿は、熱気に負けない迫力と緊張感です…!
実は、全国に200ほどいる刀匠の中でも、お弟子さんをとっている刀匠はごくわずか。関の刃物のまちとしての伝統を受け継ぐために弟子の教育や講演会などの取り組みも積極的に行なっています。
なんと、お弟子さんの中には藤原兼房さんの作る刀剣に憧れて入門した方もいらっしゃいました!
工場見学の見どころは?
工場参観日では火花散る工房で鍛錬の見学ができるほか、完成した刀剣を実際に手に持たせてもらうことができます!実際に持ってみると想像以上にずっしりと重みを感じますよ。
鍛錬場で職人仕事を間近で見る・刀を持つ、という貴重な体験をしてみませんか?
予約:不要
定員:20名
所要時間:45分 (常時受入)
11月15日(金) 午前の部
工場見学・ワークショップ日程、WEB予約