輸送や保管のために使われる段ボール箱から、商品をより魅力的に見せる化粧箱まで、私たちの周りにはさまざまな「紙の箱」が溢れています。
そんな多種多様な箱を製造しているのが「三誠紙工株式会社」。
のこぎり屋根に、規則正しく並んだ楕円の窓がついた水色の大きな扉。THE・町工場な雰囲気の外観が目が引きます!
外見と違わず工場内でもレトロな機械が活躍。腕の確かな職人さんたちが日々丁寧に紙器づくりに向き合っています。
関の刃物を影で支える、さまざまな紙器の製造
1960年に創業した三誠紙工さん。当初は段ボールや商品を納品する時などに使う簡易箱の製造に携わっていました。
けれども40年ほど前、不況の煽りを受けたことから、さまざまな種類の箱作りに着手することとなりました。
先代の釣り好きが高じて始めた、釣具を納める外箱の製造をきっかけに、化粧箱などとして使われる「貼り箱」の製造を開始。さらに、多種多様な紙の加工に対応するための打ち抜き行う「トムソン加工」も手がけるようになりました。現在では箱だけでなく、あらゆる紙製のパッケージの型抜きや組み立てを行っています。
地元企業との関わりが強い三誠紙工さん。小ロットでの製造が多い関市の刃物メーカーさんにも重宝され、細かなニーズにも対応しています。
「刃物を収める外箱から、納品のための簡易箱まで当社で作ることができるので、お客様の元には“あとは商品を入れるだけ”の状態でお届けできます」。
そんな三誠紙工さんを頼り「この商品に合う箱は作れないか?」と直接工場を訪れ、相談するお客様も多いそうです。
味のある機械を使いこなす職人たち
原紙の断裁から、加工、組み立てまで箱作りを一貫して行う三誠紙工さんですが、その多くは職人さんの手作業によるもの。紙の厚さや材質、最終的に仕上がる箱の形などを見極めて、必要な加工や、手作業の加減を試行錯誤しながら決めていきます。
トムソン加工を行う職人さんは、機械を使いこなして次々と厚紙の型を抜いていきます。一瞬で角の目印に合わせて厚紙を置き、型抜きをしていく様子は、一見すると簡単な作業のようですが長年の経験があるからこそできる早技です。
こちらは箔押しを行う職人さん。箔の材質や紙質、箔を押す貼り箱に合わせて、箔押しする熱や力加減を調整します。
「コツコツと毎日作業をすることで、だんだん完成度が高いものができるようになっていきます。“ここまでできたら満足”ということはなく、日々より高い品質を追求することが難しくも面白いですね」と職人さんは語ります。
工場見学&ワークショップの見どころは?
私たちも普段からよく目にするあらゆる紙箱が作られる現場を見学できる三誠紙工さん。ガシャン、ガシャンという町工場らしい音を聞きながら、使い込まれた機械や、手際良く作業をする職人さんの姿をぜひ間近でご覧ください!
さらに「貼箱」を作るワークショップも開催。紙を抜いて、箔押しをして、糊を付けて、「工場参観日」仕様のオリジナルBOXを作ります。小さなお子さんも保護者の方と一緒に参加できるので、ぜひ自分だけのオリジナルの筆箱を完成させましょう!
企業情報
- 社名
- 三誠紙工株式会社
- 住所
- 岐阜県関市春里町3-1-31
- TEL
- 0575-23-1222
- WEB
- https://sanseishiko.com
- ご予約
- https://kojosankanbi.jp/factories/2024_016