1950年創業の「株式会社ナガセインテグレックス」は“工作機械”のメーカーとして、平面研削盤をはじめとするさまざまな精密機械を製造しています。工作機械の製造は、1ナノメートル(1μmの1000分の1)の単位の精度が求められる世界で、業界では「超精密のナガセ」のキャッチコピーで知られるほど。機械の原点をつくる工場として、日本の産業を支えています。
工作機械とは“機械をつくる機械”
ナガセインテグレックスさんが手がける「工作機械」とは、工場で機械部品をつくるための「機械」そのものをつくる「機械」のことです。一言ではなかなかピンとこない方も多いかもしれませんが、工作機械がなければ、ものづくりは始まりません。そのため「マザーマシン」とも呼ばれています。
工場を案内していただいて、驚くのが完成した工作機械の規模の大きさ!職人さんの背丈と比較すると、その大きさがよくわかります。写真は出荷前の工作機械です。
見た目のダイナミックさに反して、非常にデリケートな製品。製造の過程では、生活振動や川のせせらぎ、自動車が走る音などの影響を受けてしまうほどです。そのため、工場は24時間稼働ではありませんが、作業によっては振動の少ない夜間に行うこともあります。
製品の完成後も出荷直前まで湿度や温度変化の影響を受けないよう覆いを被せ、徹底した環境の管理をしています。
業界のスタンダードをつくる
ナガセインテグレックスさんは1950年の創業以来、工作機械メーカーのリーディングカンパニーとして、さまざまな業界のスタンダードをつくってきました。そのうちの一つが恒温環境設定温度の「23±1度」です。
ナガセインテグレックスさんだけでなく超精密機械を扱う環境では23度が業界の標準とされています。実は、この温度設定はナガセインテグレックスさんが推奨したことにより、業界の標準となった温度なんです!
23度が業界標準とされるまでは、暗黙の了解として「20度」の温度設定がなされてきました。しかし、20度というのは長時間作業をするに身体への負荷が大きく、企業としても一年中20度を保つ空調の温度設定は非常に負担でした。
そこで、ナガセインテグレックスさんが一年を通して空調のコストを抑えられ、さらに人体への負担の少ない23度でも、超精密機械に影響がないことを訴え、「23±1度」という新たな業界のスタンダードを提唱したのです。
こうして、工作機械をつくるだけでなく、業界の環境面でも常に他社を先導する存在となり、日本の産業を守っているのです。
ナガセインテグレックスさんの「日本の産業を守る」という思いは強く、基本的に製品は国内を中心に販売しています。
工場見学の見どころは?
工場見学では、ナガセインテグレックスさんがつくる工作機械の画期的な仕組みを体験できるコーナーがあります。
それがこちらの「油静圧案内ユニット」。工作機械の中に取り入れられている構造で、これもナガセインテグレックスさんが生み出した業界のスタンダードの一つです。
ある構造によって、200kgの重りが乗った台を、女性でも片手で軽々動かせてしまうんです!どんな仕組みになっているのかは、ぜひ工場見学で学んできてくださいね!
企業情報
- 社名
- 株式会社ナガセインテグレックス
- 住所
- 関市武芸川町跡部1333-1
- TEL
- 0575-46-2323
- WEB
- http://nagase-i.jp/
- ご予約
- https://kojosankanbi.jp/factories/2022_025