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日本熱処理株式会社「刃物から自動車部品まで!製品の品質向上に欠かせない、縁の下の力持ち」

言わずと知れた刃物のまち・関市では、研磨、刃付け、めっき処理といった各工程を別の職人が担い、一つの包丁を作りあげる「分業制」が成り立っています。

その中で、刃物の“熱処理”を担っているのが、昭和38年創業の「日本熱処理株式会社」です。包丁の熱処理から始まり、現在では自動車や船舶、工作機器、家電などに使われる部品の“熱処理”を手掛けています。

 

ものづくりの過程で欠かせない工程“熱処理”とは

“熱処理”とは、素材を熱したり冷やしたりすることによって加工しやすい硬さに調整し、強度を加える処理のことで、製品の品質を左右するとても重要な工程です。 

鉄や鋼だけではなく、セラミックやアルミなど世の中に出回っているあらゆる製品の部品には、その製造過程で必ずと言っていいほど熱処理が加えられているのです!

熱処理の工程は「焼き入れ」から始まります。素材を加熱し膨張したところに硬化を促すカーボンを加え、水や油で急冷することによって素材が引き締まり、硬くなります。

その後、低温で加熱し、靭性・耐摩耗性を加える「焼き戻し」を行います。単純に硬いだけでは欠けやすいため、各製品にとって適切な硬さになるよう温度を調整するのがプロの技術の見せ所です。

品質向上に大切なのは、各工程での小さな工夫の積み重ね

焼き入れや焼き戻しを手作業で行うか機械を使うか、製品を冷やす際に水を使うか油を使うかなど、熱処理を行う素材によってそのプロセスは大きく変わります。そのうえで日本熱処理さんがこだわっているのは「ひずみにくく、傷つきにくい熱処理加工」。

製品同士がぶつかって傷がつかないよう、熱処理を行う前に一つひとつ手作業で部品を並べたり、急冷する際の水や油の温度、製品の落とし方、攪拌の仕方を微調整したりと、どの工程においても機械や人の手で細かな点を工夫することで、質の高い熱処理を追求しています。

タッチパネル式で熱処理の状況が一目でわかる最新の機械も導入し、より高度な調整が可能に!機械のメンテナンス技術も自社で持つことで、不具合が起こった際に迅速に対応することができ、お客さんからも厚い信頼を得ています。

「失敗しても、色々なことに積極的にチャレンジすることを大事にしています」と、専務取締役の炭竈宏光さん。自社での機械メンテナンスも、より業務を効率化するために導入した新しい取り組みの一つです。

さらに、「熱処理の技術や市場が日々変化していくなかで、常に最新の状況をチェックしながら、新しい技術を取り入れていきたい」と、近年では高度な技術が必要とされることから他社ではあまり取り扱われない“アルミ”の熱処理にも力を入れています。

 

工場見学の見どころは?

 

「関市は刃物のまちとして有名ですが、そのプロセスの一つである熱処理のことを知って欲しい」と炭竈さん。工場見学では、「熱処理とは何か?」を図解を用いて分かりやすく説明していただきます。

また最大の見どころは、大迫力の“鉄の焼き入れ”。機械で作業が行われるステンレスなどとは異なり、手作業で行われる鉄の焼き入れは大きく炎が上がり迫力満点です!この機会にぜひ一度ご覧くださいね。

企業情報

社名
日本熱処理株式会社
住所
岐阜県関市肥田瀬585-14
TEL
0575-22-6151
WEB
https://www.nichinetsu.net/
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