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美濃関麦酒「二足の草鞋を履く店主が作る、地域の素材を活かしたクラフトビール」

中濃公設地方卸売市場の一角に醸造所と販売所を構える「美濃関麦酒」。

現在も名古屋のIT企業で働く淺井丈さんが、クラフトビールを製造し、工場に隣接する販売所や、岐阜県や愛知県のイベント出店で販売して、関生まれのクラフトビールを届けています。

関市を中心とした地域のさまざまな素材を生かしたクラフトビールは、市内外から注目を集め、東京から足を運ぶ人もいるのだそう!

酒税法上、美濃関麦酒さんが製造するクラフトビールは発泡酒となりますが、表現上のわかりやすさのため、”クラフトビール”または”ビール”と表記しています。

ビールが起こす“化学反応”に惹かれ、醸造所を立ち上げ

淺井さんが「美濃関麦酒プロジェクト」を始動したのは2021年8月のこと。

元々ものづくりや料理が好きでクラフトビール作りに興味を持ち、大阪や茨城の研修に参加。そんなある時、岐阜市の岐阜麦酒醸造の平塚悟さんがサラリーマンをしながら醸造所を営んでいることを知り、平塚さんの元を直接訪ね、クラフトビール作りの世界に足を踏み入れることに。さらに、瑞浪市のカマドブリュワリーでクラフトビール業界でもレジェンドである丹羽智醸造長の元で研修を受け、ビールのイロハを学びます。

本町BASEのチャレンジショップ(当時)

研修を終えた淺井さんが、初めは関市の本町チャレンジBASE(旧本町BASE))でチャレンジショップとして開業。小売販売免許や発泡酒製造免許を取得するまではOEMでビール作りを行い、2023年7月、晴れて現在醸造所がある中濃公設地方卸売市場でのクラフトビール作りを開始しました。

現在、サラリーマンとブリュワーの二足の草鞋を履く淺井さん。驚くことに、実はビールが大好き、というわけではないと語ります。それでは何がモチベーションとなっていたのかと伺うと、

麦芽とホップと酵母と副原料のかけ合わせによって、味わいがフルーティーにも、ダンク(上質で独特な、奥行きのある甘い香り)にも、苦くもなる。無限の可能性があることがおもしろいんです」と淺井さん。

醸造所立ち上げまでにも苦労が絶えなかったそうですが、クラフトビールが起こす“化学反応”への好奇心が原動力となり、開業にこぎつけました。

 

地域の素材を活かした、この土地ならではのクラフトビールを

淺井さんは主に週末、ガラス張りになったコンパクトな醸造所でクラフトビールを仕込みます。

こちらは「ブリューハウス」という麦汁を製造する設備。右側の「糖化釜」で麦をお湯に浸して糖化させ、麦汁を作り、その後左側の「煮沸釜」で煮込み、ホップや副原料を投入。不要物を除去した澄んだ部分を発酵タンクに移します。

ホップや副原料は、何を、どのタイミングで入れるかによって大きく味が変わりますが、こうした「味のデザイン」をすることが淺井さんの楽しみなんだそう!想像通りにいかない時もありますが、それも含めて、毎回ドキドキ、ワクワクする瞬間です。

現在、美濃関麦酒さんが製造するクラフトビールは、限定商品も含め7種類ほど。地産地消にこだわり、関市を中心に地域の特産品を活用しています。

代表作「上之保ゆずエール」は、関市特産の上之保ゆずのフルーティーな味わいが楽しめるアメリカンペールエール。関市小瀬地区で収穫された美濃錦というお米を使った「関PILSNER-MAGOROKU- VER.2」、板取地区のブルーベリーと関市山田で収穫された赤紫蘇を加えた、赤ワインのような味わいの「​焔-HOMURA-」も定番商品となっています。

地域の農家さんとは、麦芽粕(かす)を堆肥として提供していたことから関係性ができ、徐々にその繋がりが広がっています。時には、ビールの味わいやラベルのデザインなどを相談して決めることもあり、関ならではのビールが続々と誕生しています。

 

工場見学の見どころは?

工場見学ではクラフトビールができあがる工程を、実際に使われている設備を見ながら学ぶことができます。

こじんまりとした空間ですが、ステンレス製のかっこいい機械や、淺井さんが自作した瓶詰め機などが並んでいて、秘密基地のような空間です!

さらに、二十歳以上の方は美濃関麦酒さんのオリジナルクラフトビールの試飲のサービスも…?!ビール好きにはきっと、たまらない工場見学になるはず!

 

企業情報

社名
美濃関麦酒
住所
岐阜県関市若草通1-8 中濃公設地方卸売市場内
TEL
見当たらず
WEB
https://minosekibeer.wixsite.com/index
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