1985年に創業し、産業機械に使われる精密部品の加工や組み立て、表面処理加工などを行う「豊実精工株式会社」。近年は自社商品の開発や観光業にも取り組み、多岐にわたる事業を展開しています。
現在は、岐阜県内に5事業所、長野県、福井県、山形県、そして中国、韓国、ベトナムにも拠点を置き、培ってきた技術力や柔軟性を活かし、時代の先を見据えながら新たな挑戦を続けています。
100台以上の工作機械で、精密機械加工の一貫生産に対応
産業機械に使われる精密部品の加工から事業をスタートした豊実精工さん。現在は設計から組立までを自社で担う一貫生産体制を構築し、さらにグループ会社と連携して熱処理や精密洗浄、表面処理などの工程も行なっています。
完成した機械や部品は、食品工場の機械装置や、スマートフォンの半導体、電車、テーマパークのアトラクションなどに採用され、私たちの身近な場所でも活躍しています。
豊実精工さんが保有する設備は100台以上!五面加工機や5軸マシニングセンター、CNC複合旋盤(せんばん)といった幅広い工作機械を取り揃え、旋削(せんさく)・切削・研削といった多様な加工に対応しています。
工作機械の操作は基本的にオートメーション化されていますが、準備のための段取りは人の手で行われ、複雑な場合は半日を要することもあるのだそう!
特注品や試作品などの依頼も多く、その加工方法ももちろん、工場の社員さんたちが考えます。これまでの経験や磨いてきた技術を頼りに「何をどう加工すれば、求められる形になるのか」を一つひとつ検討していきます。
さらに、豊実精工さんでは生産の効率化やIT化も進めています。こちらは、完成品や道具などを工場内で運んでくれる搬送用のAMRロボット「ハコス」。町工場でも無理なく導入できる価格の商品ということで協力会社への販売も行っています。新しい技術もスモールスタートで取り入れながら、日々製造現場の改善を図っています。
自社開発した世界初の表面処理技術「ERIN」
中心の薄い膜のような正方形がERIN処理をした箇所。こすっても傷が全くつかない
豊実精工さんは自社で精密機械の加工・組み立てを行うほか、「レイデント処理」という、半導体や液晶の部品の錆を防止する表面処理技術の正規ディーラーとしても事業を展開。世界シェア1位、国内では7割の販売実績を誇ります。
さらに、一歩進んだ表面処理技術として自社で独自開発したのが、世界初のクロムフリー表面処理技術「ERIN(エリン)」。メッキ加工で一般的に使用される六価クロムという有害物質を含まない、環境や人体に優しい革新的なコーティング技術です。薄膜でありながら優れた防錆性や耐久性を備え、なんと1,500℃の高温にも耐えられるんです!
ERINの処理を行う装置も自社で製作しており、ここにも精密機械加工や組み立ての技術が生かされています。
そんなERINの技術は外部から高く評価され、全国の中小企業・小規模事業者の後継予定者が新規事業のアイデアを競う「アトツギ甲子園」では、2025年に中小企業庁長官賞を受賞!現在は海外を中心に販路の開拓を進めており、将来的には主力事業の一つとすることを目指しています。
このほかにも、自社製品であるペレットストーブPelleStar(ペレスター)の製造販売や、「ハコス」の販売、スキー場、温泉、ホテル、輸入雑貨販売店の運営など、多岐にわたる事業を展開していることも豊実精工さんの特徴です。
工場見学&ワークショップの見どころは?
今回、「関の工場参観日」に初参加となる豊実精工さん。一般の方に工場の内部や、働く様子を見てもらうことで、社員さんたちに誇りや自信を持ってほしいという想いがあります。工場内に並ぶ多種多様な工作機械を社員さんたちがどう扱っているのか、注目してみてくださいね!
また、世界初の表面処理技術ERINが施された部品も展示されるので、その耐久性を実際に触って体感してみましょう。
さらにワークショップでは、普段から生産に活用されている工作機械「マシニングセンター」を使って、オリジナルのキーホルダー作りを製作体験できます。どんなキーホルダーが完成するかは、ぜひ当日を楽しみにしてくださいね!
企業情報
- 社名
- 豊実精工株式会社
- 住所
- 岐阜県加茂郡富加町羽生2146-2
- TEL
- 0574-55-0180
- WEB
- https://www.hojitsu.co.jp/
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