「株式会社水野鉄工所」は、初代・水野早苗さんが自宅の納屋に6尺旋盤を設置したのが始まりです。1951年に創業し、現在は従業員数約170名、本社がある関工場のほか、三重県に松坂工場も開設しています。
主に飛行機などの航空宇宙部品を中心として、月産2万個以上もの製品を生産。大型で複雑な精密部品の加工、部品完成までのプランニングから治工具の設計製作、NCプログラミングまでを社内で一貫して行っているところが強みです。
中型旅客機「ボーイング787」など、あの飛行機の部品もこの工場で製造!
関工場では、創業当初から航空機部品を製作していて、“ピカチュウジェット”などで知られる中型旅客機の「ボーイング787」の翼や尾、骨組みなどに使われる部品も製造しています。
工場内は整然としていて、至る所に部品が保管されています。水野鉄工所さんでは部品を製造するだけでなく、塗装や組み立てまで行うこともあり、時には10メートル近い骨組みや、巨大な飛行機の鼻先の部分(レドーム)が工場内で組み立てられることも!
こうした航空機をはじめ、宇宙ロケットから建設重機の部品まで、さまざまな部品が最先端の設備や技術によって製造されています。
本社がある関工場は6棟に分かれていて、航空宇宙機器の部品製造、組み立て、油圧機器部品の製造、治工具製造など、それぞれの工場で業務内容が異なります。
こちらは何台ものマシニングセンタが設置された広々とした工場。白い建物のような大きな装置がマシニングセンタで、穴あけやフライス削りをはじめ、複数の切削加工が1台で行える工作機械です。
マシニングセンタの手前にあるのは、切削加工をする前の金属の板。こんなに厚みがある大きな金属の板を削ったり、穴を空けたり、精密な加工を行うことで、部品を作り出しているんですね!
プログラミングによって切削加工の工程が自動化されているマシニングセンタとは対照的に、手作業で切削加工を行う汎用機も活躍しています。わずか0.1ミリ単位での調整が必要な時や、数個だけ必要な部品を製造する時にはこの機械が活躍するのだそう。作業には職人さんの経験値や腕が求められます!
世界最高基準の技術で、航空宇宙産業の一翼を担う
航空宇宙機器の部品づくりは人命に関わる仕事のため、小さな部品一つであっても、使用した接着剤から、温度や湿度などの作業環境、原料や道具などのスペックに至るまですべてを記録し、万が一、不具合が見つかったときには、記録を追って確認できるようにしています。
また、飛行機の運用期間は一般的に20年〜25年になるため、運用期間の間は常に整備や、部品の修理や取り替えなどが行われています。つまり、新しい部品を作るだけでなく、補用品(予備部品や修理部品)も製造し続けることが求められています。
「何十年をかけて機体を作ってからも、それで終わりではなく、その後も機体が運用されている間はずっと部品を作り続けていくんです。入社から退社まで、自分が部品製造や組み立てなどで関わった飛行機が飛び続けていることもよくあります。長く携わり続けられる、責任のある仕事です」とベテランの職人さんが話してくれました。
水野鉄工所さんで働く職人さんにとって、こうした航空宇宙産業に関わる「ものづくり」をしていることが誇りであり、モチベーションとなっているんですね。
工場見学の見どころは?
水野鉄工所さんは、今年、「関の工場参観日」に初参加します!これまで、関市や笠松町の工業高校の生徒を対象とした工場見学は実施してきましたが、一般の方に向けての工場見学は初めて。
普段は立ち入ることができない工場内を見学しながら、飛行機や宇宙ロケットの部品を製造する世界基準のものづくりの技術の素晴らしさを感じてみてくださいね!
企業情報
- 社名
- 株式会社水野鉄工所
- 住所
- 岐阜県関市倉知4539-10
- TEL
- 0575-21-5511
- WEB
- https://www.miztec.jp/
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