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宮川工業株式会社「世の中にない機械を生み出す、企画開発メーカー」

スマートフォンや家電など身の回りにある工業製品から、自動車、船舶、航空機といった乗り物、さらに橋梁などの巨大な構造物まで、あらゆるものづくりに欠かせないのが「穴をあける」「ネジをたてる」という加工。この加工が早く、丁寧にできれば、大量の製品を効率よく作り出すことができますよね。

そんな加工を実現する“多軸アタッチメント”を約60年ほど前に開発したのが「宮川工業株式会社」。

関市の中小企業としては珍しく、自動車産業や航空機産業をはじめ、造船産業、橋梁業界など、日本を代表する大手メーカーとも直接取引し、日本のものづくりを支えている企業です。

 

あらゆるものづくりの現場で活躍する“多軸アタッチメント”

 

宮川工業さんの代表的な製品「多軸アタッチメント」は、世界8ヵ国で特許を取得した、日本のみならず世界中で活躍する加工ツールです。

1935年に刀剣製作所として創立し、刃物関係の職人さんたちを束ねる産地問屋を生業としていた宮川工業さんですが、戦後刀剣が没収され、一度は会社が倒産してしまいます。

けれども、包丁の柄を固定するための穴あけを請け負うことから事業を再開。当初は穴を1箇所ずつあけていましたが、効率よくできないかと生み出したのが1つの機械で2箇所同時に穴をあけられる加工ツール(2軸アタッチメント)です。

これにより、他社の倍の量の出荷が可能に。驚いた取引先や他のメーカーは実際に宮川工業さんを訪れ、加工ツール(2軸アタッチメント)の仕組みに感動!「ぜひうちでも使わせて欲しい」と多くのメーカーから声がかかるようになりました。

その後、2軸アタッチメントは一度に多くの穴をあける加工ツール「多軸アタッチメント」へと進化。高度経済成長期の日本や世界で、自転車やオートバイ、家電といったさまざまな業界のものづくりに欠かせないツールとなり、「多軸の宮川」として名が知られるようになったのです。

現在は、多軸アタッチメントの他にも、塗装が均一につきやすくなるよう部材のエッジを丸める「なめらかR面取り機」や、金属などを加工する際にできる「バリ」を取り除く「バリ取り/被膜除去装置」、損紙を断裁する「ロールスプリッター」など、宮川工業さんが生み出した加工機器は幅広い業界で活躍しています。

オーダーメイドで高品質の製品を生み出す「開発機械メーカー」

工場の中を見せていただくと、意外にも人が少なく、機械もあまり稼働していません。

その理由は、宮川工業さんが開発や設計、組み立て、品質検査などを主に行っていて、部品製造はそれぞれ専門の加工メーカーにアウトソーシングしているから。元々、宮川工業さんは産地問屋を稼業としていたため、そのノウハウが、さまざまな加工機の生産にも応用されています。

製造設備はひと通りあるものの、より最新技術を求めて職人さんたちはたびたび外注先であるメーカーに足を運び、膝を突き合わせながら、一緒に取引先が求めるものの開発・設計を行います。そのため、高機能で高品質なオーダーメイドの製品を作ることができるのです。

高精度な製品作りに欠かせないのが、品質検査。宮川工業さんでは、ドイツの世界的な光学機器メーカー・カールツァイスの世界最高水準の精密三次元測定機を昭和60年に当時1億円をかけて導入し、0.0001mmという精度を測定しています。(現在の測定器は2台目)

こうした品質検査を行うからこそ、取引先からは「宮川工業さんに任せておけば大丈夫」という信頼を得ることができているんです。

さらに、そんな「開発機械メーカー」としての資質や、早くからの海外での事業経験を生かし、2012年にはインドで現地法人を創業。現地のさまざまなメーカーと協力し、世界初の「適温空間塗料」や、FDA取得の除菌剤「Protect-C」等の環境商材など、SDGs関連分野にも進出しています。

 

工場見学の見どころは?

世界中のあらゆるものづくりの現場で活躍する「多軸アタッチメント」や「なめらかR面取り機」など、宮川工業さんの主要な加工機を修理する現場や、0.0001mmの精度が求められる精密三次元測定機での品質検査の様子を実際に見ることができます!

さらに、ROKR社のウッドパズルを工作するワークショップも開催!工場現場で様々な道具を使いながら、職人と一緒に歯車の仕組みを学び、調整しながらものづくりを楽しめます。完成したウッドパズルは、持ち帰っていただけますよ!

企業情報

社名
宮川工業株式会社
住所
岐阜県関市宮河町1-1-1
TEL
0575-22-1411
WEB
https://www.miyakawa.com/
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