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ナザテック株式会社「曲・拡・絞・切」パイプ加工のパイオニアへ

金属パイプ加工の専門メーカー「ナザテック株式会社」。社名の「ナザ」は創業地の愛知県稲沢市に由来し、創業時からこれまで稲沢の地でエアコンと自動車向けのパイプ部品を製造してきました。

2019年、事業拡張における様々なスピード感、本社稲沢および顧客との良好な地理関係、災害など緊急時の事業継続策(BCP)などの理由から関市に第3工場を開設。昨年創業60周年を迎え、現在2拠点で安定感のある事業運営をしています。

関工場では、稲沢市の工場で培ったノウハウを活かし自動化を採用。世界的自動車部品企業「株式会社アイシン」さんの製品に使用する部品を従業員数わずか6名で、多い時には月に80万本製造しています。

工場一般公開は今回が初です。

 

「すごい!」がいっぱい。工場内は知恵と技術の展示場

関工場では、24台のロボットが常時約30品種を製造しています。主に自動車の変速機に用いる潤滑油パイプの生産量は、1日に3万本!

ところで3万本がどのくらいの数か想像がつくでしょうか…?

8時間稼働として、30000÷8÷60÷601.04だから…約1秒に1本!

朝の始業から終業まで常に毎秒1本出来上がっている計算になります。

最後に洗浄や最終検査の工程も経て3万本を完成させるのですから、すごい数ですよね。しかも従業員は6名ということで、いかに効率化が図られているかが分かります。

そしてその要はクール24台のロボット。絶え間なく、プログラムの指示通り、一瞬と呼べるような速度でパイプを加工します。

細やかで物静かなその動きは、なんだか健気でかわいらしくも見えます。人間には決して真似することのできない速さと正確さは、まさにテクノロジーの力です。

そんなブルーロボットアームに一流の産業ロボットメーカーのロゴ発見!

3代目社長で中小企業診断士でもある岡田真志さんは「断続的な設備投資が高品質で低コストの生産体制を構築し、それがこの会社の強みになっている」と語ります。

さらに、関工場で目指すのは完全自動化そして無人化なのだそうです。この挑戦は近隣産業の活力にもつながりそうですね。

 

企業理念が社風そのもの。「従業員の良き人生」と「会社の安定成長」の両立

関工場は効率を追求した結果、扱う材料を1種類のパイプだけに絞っていて、その潔さが特徴となっています。

ボビン糸のようにグルグル巻かれた外径6.35ミリメートルの長いパイプの渦は、始めに真っすぐ矯正し用途に合わせた長さにカットします。

それをキャスター付きワゴンで次の装置まで運べば自動でロボットに装填され、パイプはわずか数秒で製品の形となります。

「この無駄のない過程の中には、効率以外に手作業、重労働の苦労を“何とかできないか”という会長の想いが込められているんです。」と物腰柔らかに話すのは、関工場責任者の岡田真人さん。

また、従業員の半数以上が女性のナザテックさんは「女性活躍職場」として中小企業白書に掲載されたこともあり、女性が働きやすく持続可能な生産体制を実現しています。

また、地域住民の環境にも配慮し、20年前には当時は主流だった便利なフロン洗浄から早期脱却し炭化水素超音波洗浄を採用しています。

こうした“何とかできないか”の精神は3代目の現社長にも引き継がれ、社長就任直後の5年前の豪雨では被害の大きかった関市に寄付を、生乳の大量廃棄問題が騒がれたときには関牛乳を調達し全従業員と家族に配布しました。ナザテックさんの従業員・地域・自然への想いは結果として時代のニーズを早期に的確に捉え会社の成長にも繋げています。

 

工場見学の見どころは?

工場内のロボットは、まるで狭いケージの中に収納されているかのようにぎっしりと並べられています。

これは、人の作業スペースを必要としないことと、ロボットが多関節で細かな動作に優れているからできること。

一部のロボットは夜間に無人で動かせることもできるそうですよ。

1本のパイプに曲げや穴が加えられ変化していくライン工程はもちろん、そこに辿り着くまでの工夫や進化も探してみてください!

企業情報

社名
ナザテック株式会社 関工場
住所
岐阜県関市稲口241-1
TEL
0575-29-3270
WEB
http://www.nazatec.co.jp
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